美術デザイン

当時の写真や資料が少なかったため、安部会長を始め様々な方の記憶などもMIXして昭和30年代頃の築地一号店をデザインしたそうだ。「リアルに再現というよりみんなの記憶の中の築地一号店を目指した」とデザイナーの弁。
店のカウンターは当時の素材ではなく「米松」をあえて使用。一本の木を買いそこから割いた代物で、手のかかったまさにこだわりのカウンターに仕上がった。
店の外観では当時の最先端技術だった扉が開けっ放しの店内に虫が入らない為に使用する入り口にあった「エアカーテン」も再現。
また、セットは全体にあえて汚し(エイジング)を強目に入れたそうだ。これにより当時のムード、空気感がより強調されている。
セットを飾る装飾品にも細かなこだわりを感じさせる。爪楊枝は創業者のこだわりで「黒文字楊枝」を使用していたそうで、劇中の役者に使用させている。
壁についた箸入れや、お客様の手鉤(荷物や大きな魚などを引っ掛けて持ち上げるのに使う道具)も関係者の記憶から採用したり、壁に這う碍子や昭和30年代のテレビが時代を感じさせる。

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