撮影にあたり監督が一番こだわったのは、「タイムスリップ感」。リアルな昭和に連れていくのではなく、
「誰の心の中にも存在する昭和の残像の中に連れていく」というアプローチをもとに、セット、美術、衣
装、メイク、そしてお芝居の中にも取り入れたそうだ。
今回「昭和30年代」を舞台に描かれるTVCMとあって、菅田さんを筆頭に「昭和顔」と言われていない
が実は「昭和顔」の「隠れ昭和フェイス」をキャスティングした、と監督は言う。
お芝居にも昭和のニュアンスを取り入れ、リアクションのスタイルにしても、「昭和しぐさ」といわれる
古臭い感じをあえて導入し、オーバーリアクションといっていいほどの演技が「昭和くささ」をより一
層際立たせているのも今回のTVCMシリーズの見所となっている。
喜劇に強い福田雄一さん(『笑っていいとも!』『SMAP×SMAP』作家『勇者ヨシヒコ』シリーズ脚本・演
出)が脚本を担当した本作。
監督いわく「今っぽくない、昭和らしいコントを目指した」とか、当時の大らかな空気をはらんだ
喜劇もこの作品の大きな魅力となっている。
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